『太陽の罠』第1話 感想

ドラマは放送中のものを感想書いたほうがいいんじゃないか、と思って、さっそく始まった『太陽の罠』について書く。
NHK土曜ドラマ。この枠は『ハゲタカ』くらいから企業を舞台にしたものが多い印象。

冒頭で、ソーラーパネルを開発する企業・メイオウ電機がパテントトロールというものに標的にされていることが分かる。尾美としのりの演じる濱が幹部陣に説明をしている。
パテントトロールというのは、安いうちに成長しそうな特許を買い叩き、莫大な価値を生み出すようになってから権利を主張して慰謝料や使用料を請求する特許マフィアと呼ばれる存在らしい。
このあたりでは、[特許マフィア]なんて単語が出て来た時点で、すごく面白そうだなあ、と思った。そんな存在を知らなかったし、近年、知的財産には注目が集まっている。それに、合法的な手段での企業の権謀術数や攻防と言う点では、それこそ『ハゲタカ』的な面白さがありそうだ。
しかし、このあと、あまり特許マフィアとの対決、のようなことは描かれなかった。
主な登場人物は、前述の濱とAAAの西島隆弘が演じる長谷川の2人なんだけど、2人がとも大変な目に会う。
濱はいやーな上司に耐えきれず殴ってしまうし、長谷川は特許マフィアに情報を流し、濱の罪をかぶせられ、さらにスパイの疑いをかけられ、警察に追われる羽目になる。
この土ドラ枠は前回の『七つの会議』でも『半沢直樹』と原作者かぶりしてしまったけど、今回は「産業スパイの濡れ衣を着せられて逃げる主人公」という点で『ハニー・トラップ』とかぶってしまったことになるんだな。
あと、かぶりと言えば、上司のいやさと、耐えきれない濱の様子は『半沢直樹』の近藤(滝藤賢一)を思い出させた。
まあ時代性とかを考えれば、かぶりは仕方ないとは思うけど。
「企業もの」かと思いきや、サスペンスになったので、そこは少し拍子抜けした。
もちろん、サスペンスとして面白ければいいんだけど、特許マフィアと対抗するためのあの手この手、みたいなものを想像していたので、そこが見られなかったのは残念に思った。
ソーラーパネルという今注目されてるものが、世界的な特許マフィアに狙われている、というスケールの大きい話にも関わらず、現場で働いている人間が苦しまされているのは、働きもしないで部下に全ての責任を押し付けるどうしようもない上司だった、というのは、皮肉にもリアルに現実の社会を表しているもかもしれないが…
塚本高史の演じる特許マフィアが「ドラマらしい」カタルシスを作りだしてくれるのを期待したい。一目で「マフィア」と分かるサングラスはやりすぎだと思ったけど。

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